一人ぼっちの大きな木
(Updated: )森(もり)の 奥(おく)に 一本(いっぽん)の 大きな 木が ありました。
木は いつも 一人(ひとり)ぼっちでした。
木には 色(いろ)とりどりの 葉っぱが ありません。
お洒落(おしゃれ)な 小鳥(ことり)は
「美しい(うつくしい) 木にしか 止(と)まらないの」
と 飛(と)んで行(い)ってしまいます。
木には 涼しい 木陰(こかげ)が 作(つく)れません。
汗っ掻き(あせっかき)の 子熊(こぐま)は
「暑(あつ)くて こんな処(ところ)では 休めないよ」
と 逃(に)げ出(だ)してしまいます。
木には 美味しい 木のみも ついていません。
腹ぺこ(はらぺこ)な こりすや 兎(うさぎ)たちは
「あっちの ほうに あまーい 食べ物が あるんだよ」
と 通り(とおり)過ぎ(すぎ)てしまいます。
お腹(なか)には 大きな 穴(あな)が 空(あ)いています。
動物たちは その 真っ暗(まっくら)な 穴(あな)を
とても 怖(こわ)がっていました。
ある日の 昼下がり(ひるさがり)。
木が 居眠り(いねむり)を していると、いつの間(ま)にか 雨が 降(ふ)ってきました。
そっと 目(め)を 開(あ)けると 小さな 男の子が 独り(ひとり) 泣(な)いています。
「このままじゃ 風邪(かぜ)を 引(ひ)いちゃう!」
しかし 木には 雨を しのげる 葉(は)っぱは ありません。
木は なんとかしようと 一生懸命(いっしょうけんめい)
体(からだ)を 揺(ゆ)すってみたり、
うんと 背伸びを してみたり しました。
体(からた)を 動(うご)かしたことの なかった 木は
初めて 汗(あせ)を かきました。
すると 真っ暗(まっく)だった 木の お腹(なか)に
優しい 明(あ)かりが 点(とも)りました。
男の子は その 明(あ)かりに 気(き)がつくと
そっと 中に 入(はい)って 雨宿(あめやど)り。
木は 初めての 出来事(できごと)に
嬉(うれ)しくて たまりませんでした。
どれくらいの 時間が たったでしょうか。
遠く(とおく)から 誰かを 呼ぶ(よぶ) 声(こえ)が 聞(き)こえます。
パパと ママが 男の子を 迎(むか)えにきました。
木は また ひとりぼっち。
「どうして 皆んな 僕と
一緒に いてくれないんだろう?」
と 木は ぽつりと 呟(つぶや)きました。
その時、ぱたぱたと
足音(あしおと)が 聞(き)こえてきて。。。
やってきたのは あの時の 男の子です。
男の子は そっと 木の お腹(なか)の 中(なか)に 入る(はいる)と、
ぴょこんと 顔(かお)を 出(だ)して、 大きな声(こえ)で 叫(さけ)びました。
「おーーーい!」
すると。。。
あちらこちらから
たくさんの 子供達(こどもたち)が 集(あつ)まってきました。
男の子は 自慢げに
「この 木はね、お日様みたいに あったかいんだ!
僕が 雨の 日に 見つけたんだよ」
と、皆んなに 言いました。
男の子を 助(たす)けようと 頑張(がんば)った 木は
体が 暖か(あたたか)く なって、
中(なか)は 優しい 明(あ)かりで 照(て)らされ、
絨毯(じゅうたん)の ように 柔(やわ)らかな
草(くさ)が 茂(しげ)っていました。
太(ふと)くて ごつごつした 体は
木登りに ぴったりです。
独りぼっちだった 木は
森で 一番 賑やかで
幸せな 木に なりました。
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